東京ゴミ女

シネロケット

【スタッフ】
監督 廣木隆一 
脚本 及川章太郎 
撮影 鈴木一博飯岡聖英 
音楽 岡村みどり 
制作 ボノボ 
製作 シネロケット+ 日本トラステック 

【キャスト】
みゆき  中村麻美
ヨシノリ 鈴木一真
京子   柴咲コウ
     小山田サユリ
     戸田昌弘
     田口トモロヲ
     奏谷ひろみ
     吉岡睦高
     伊藤裕作
     山中竜也

【あらすじ】
なんの夢も目的もなく日々を淡々と暮らす、みゆき(中村麻美)。ロリコンのマスター(田口トモロヲ)
が経営するバイト先の喫茶店では、暇さえあればセックス中毒のバイト仲間、京子(柴咲コウ)とともに
タバコをふかす。みゆきを想って通い詰める常連客のサラリーマン川島(戸田昌宏)にも笑顔ひとつ見せ
たことがない。そんな彼女の唯一の楽しみは、同じマンションに住む好きなオトコ(鈴木一真)の出すゴ
ミをあさることだ。階段ですれ違っても、まともに挨拶さえ出来ない憧れの彼。人のいない隙を見計らっ
て、彼のゴミ袋を部屋へ持ち帰っては、ひとつひとつ丁寧に中身を確認するのだ。部屋のいたるところに、
彼のゴミをオブジェのように飾りつけ、タバコの吸い殻から彼の好きな銘柄を知り、自分も同じタバコを
吸い、彼の好きな食べ物を買い込む。ゴミを知ることで、彼自身に近づいていくような感覚は、彼女にと
って何にも代えがたい幸せなのだ。そしてある日ゴミの中から彼の写真が貼ってある履歴書を見つける。
彼の名はアサモトヨシノリ。28歳のミュージシャンだった。飽きることなくゴミをあさり続けるみゆき
の前に現れた様々なゴミは、ヨシノリの生活を赤裸々に物語った。時には口紅のついた吸い殻と、使用済
みのコンドームが見つかった。オンナができたらしいが一週間後には別れてしまったようだ。また着古し
た洋服が出てくると、彼の匂いを体中で感じるように抱きしめる。無造作に捨てられていたビデオテープ
には、ライブで歌うヨシノリが映し出された。そんな彼の姿に思わずくちづけするミユキ。

いつものようにゴミを調べるみゆきの部屋に、川島が訪ねてきた。彼女への想いを募らせる川島に、はじ
めは拒絶するような素振りを見せるみゆきだったが、2人で夜の散歩に出かけていく。深夜、店を閉めた
バイト先にこっそり潜り込んだ2人は、やがてソファで体を重ね合うのだった。川島との情事の後も、相
変わらずゴミをあさるみゆきは、度重なるサヤカの手紙によってヨシノリのライブがあることを知る。当
日、ライブハウスからサヤカを連れ出すと、未練たらしい彼女の手紙をなじったうえ、自分はヨシノリと
同棲しているとウソをつき、2度と彼に近づかないことを約束させたのだ。みゆきがライブハウスに戻る
と、すでにヨシノリの演奏は終わっていた。客のはけたステージで1人ギターをつま弾くヨシノリと初め
て面と向かって言葉を交わすみゆき。彼女のために何か歌おう、というヨシノリの申し出に、みゆきはゴ
ミの中から見つけだした楽譜のメロディを口ずさんだ。驚きを隠せないヨシノリは「ずっと待ってたよ、
あんたのこと」とみゆきにキスするのだった。とうとう一夜を共にした2人。やっと手に入れた幸せな瞬
間を噛みしめるみゆきに、ヨシノリからとんでもない事実が告げられる。彼はみゆきが自分のゴミを盗ん
でいることを知っていたのだ。あまりの衝撃に部屋を飛びだしたみゆきは、自分の部屋へ駆け込むと、今
まで集めた彼のゴミを泣きながら捨てに行く。ゴミの捨て場所を探してあちこちさまよい歩くみゆきは、
決心のつかぬままサヤカのもとを訪ねる。しかし「もう、ヨシノリのことはあきらめた。あんなことやっ
てちゃ、ヤバイですよね」という言葉を聞くと、ゴミ袋を抱えたまま駆け出し東京湾へと向かった。そし
て「自らの手でゴミと決別する」ために、船に乗って夢の島を目指すのだった。

いつもと変わらない日常の中、みゆきは心の中でつぶやく。「ヨシノリのゴミの中で一つだけ捨てられな
かったものがある。そのゴミは死ぬまで忘れられないだろう」。


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